両武快速線

概要

 両武快速線(りょうぶかいそくせん)は、永京駅(ながきょうえき)から津喜駅(つきえき)までを結ぶ路線です。書類上は両武本線の一部となりますが、途中の但馬護町駅(たまごちょうえき)から津喜駅までは、「両武快速線」と呼ばれる特急・快速・貨物列車の線路を走行します。

 永京都と津喜県・遠山原県を結ぶ大動脈の一つとして機能しており、昼間は10分間隔で運行される快速のほか、特急列車・貨物列車も運行されています。このうち特急は遠山原行きが30分間隔、富街空港行きも30分間隔で運行されています。富街空港行きの特急が運行を開始する1991年以前は、内郷線・外郷線に直通する特急がそれぞれ1時間間隔で運行されていました。(内郷線・外郷線直通特急は、現在大半が永津線永京駅発着で運行されています)


 貨物列車は新奥戸駅(しんおくどえき)~津喜駅間で運行されます。新奥戸には以前と比べて規模が縮小されたものの、貨物ターミナルがあります。この貨物ターミナルからは常盤本線方面へ向かう貨物支線が存在しており、遠山原方面からの貨物列車はこの新奥戸貨物ターミナルを目指して西へ進むのです。一方で内郷線・外郷線の仁江方面からの貨物列車は、現在は永津線・宮野木線経由での運行に変更されています。

運行形態

 特急列車と快速列車を中心とした運行形態で、このうち快速は11両または15両編成で運行されている。

特急(日中1時間あたり)

 遠山原行き2本、富街空港行き2本

 停車駅は、但馬護町、船瀬、幕沼(一部列車のみ)、津喜。

 富街空港行きは富街空港まで停車しないが、朝と夕方に津喜に停車する列車がある。

快速(日中1時間あたり)

 鳴田周り奈原行き1本、富街空港行き1本、周西行き1本、上得一ノ宮行き1本、津喜行き2本)

 朝と夕方の混雑する時間帯は、幕沼発着の電車や通勤快速が設定される。

 途中停車駅は、新日本橋、馬喰町、但馬護町、新奥戸、市屋、船瀬、幕沼、検見浜、稲木、津喜で、通勤快速は新日本橋、馬喰町、但馬護町、船瀬、津喜である。

車両

現在の車両

N1604系1000番台

 2020年12月から運行を開始した車両です。2023年までに両武快速線で運行される快速、通勤快速のすべてがこの車両に統一されます。大型デジタルサイネージを採用したり、トイレを6号車にも設置したりなどの変更点があるほか、混雑対策のため9~11号車のボックス席を廃止。二階建て車両以外はすべてロングシートとなりました。

N1602系4000番台

 2008年3月のダイヤ改正で登場した車両。増発のために導入されたため少数派の車両ですが、ドア上に17インチLCDが装備されているため、主に富街空港に向かう運用に入るようです。N1604系1000番台の導入により、他の路線に転属する予定です。

N1326系

 1993年に登場した、両武快速線の主力(2020年6月現在)車両。近郊型車両に分類されますが、従来とは異なり4ドア車両となりました。また、両得電鉄に対抗するため最高速度が120km/hとなっています。長年主力車両として活躍してきましたが、老朽化によりN1604系に置き換えられます。

 登場当初は帯の色が若干異なっていました。この帯の車両は2007年の更新工事開始以降、姿を減らし2011年に消滅しました。

1154系

快速線では2004年から運行開始している特急型車両。

沿線概況

永京駅-但馬護駅間

 1972年に「両武地下線」として開通した区間で、但馬護駅の手前まで地下を走ります。。地下で見通しが悪いことから、1972年から2004年までは保安装置にATC(車内信号方式)が用いられていたほか、1997年までは前面に避難可能な扉を有した車両しか入線できませんでした。

 永京駅ホームも地下にあり、「両武1番線~両武4番線」までを使用しています。このホームは逗子・久里浜方面のNR三浦線も使用するホームで、快速列車の多くがこの三浦線に乗り入れ逗子・久里浜方面へと向かいます。

 馬喰町駅はNR線の中で最も深い位置にある駅(海抜-30.58m)です。地下鉄やライフラインが地下に多数敷設されていることから、深い位置に駅が設けられることになりました。この馬喰町駅から鉄道線としては急な坂道を上ると、両国駅近くで地上に出ます。

 但馬護町駅手前には、快速線津喜方から緩行線春葉原方へ向かうことのできる渡り線が設けられており、休日に設定されている蓮庭~内郷線方面の特急や朝と夜に設定されている津喜発着の信濃線特急松本行きがこの線路を使用します。両国駅へ向かう分岐もあり、こちらは1972年まで使用されていた両国駅1番線、2番線に向かうことが出来ます。両国駅1番線、2番線は2021年現在、津喜県南部や東部へ向かう自転車電車のみが使用していますが、2010年までは内郷線・外郷線方面への新聞輸送列車も発着していました。

但馬護町駅-幕沼駅間

 但馬護町駅と新奥戸駅の間にある亀戸駅(快速線は通過)付近から新奥戸駅までの間は、快速線、緩行線に加え貨物線も加わった3複線となります。これは亀戸駅付近から小名木川支線と呼ばれる貨物線が分岐しているからで、小名木川支線から新奥戸貨物ターミナルまでスムーズに運行できるように設計されています。

 新奥戸駅付近は新奥戸貨物ターミナルの規模縮小に伴い、大きなマンションの建設や分譲が進んでいる地域です。2018年には新奥戸駅と市屋駅にホームドアが設置されました。但馬護町駅から新奥戸駅までの間は、両武快速線で最も混雑が激しい区間で、2019年度の混雑率は180%を越えていました。

 市屋駅手前で江戸川を渡ると、津喜県に入ります。市屋駅は通過線を有している駅で、快速電車はここで特急列車や貨物列車の待避を行います。2015年のダイヤ改正以前は待避を行う列車と行わない列車の停車時間の違いにより、電車の運行間隔が多少ずれていましたが、2015年以降は待避を行わない電車も待避を行う電車と同じ停車時間に変更され、永京~津喜まで日中はほぼ完全なパターンダイヤになりました。

 市屋から船瀬までは、直線的な区間で駅間距離も長いことから、最もスピードを出せる区間です。特急電車は130km/h、快速は120km/hで走って行きます。途中の西船瀬駅はホームこそ設置されていませんが、ホームを建設できるスペースは確保されており、度々快速を停車すべきという話題が出ます。NR今北としては快速を停車させるつもりはないようで、理由としてはNR永津線、両武快速線双方の混雑を分散させる意図があるからだとしています。

 船瀬駅は津喜県内では利用客数が多い駅です。駅の近くには京香電鉄の京香船瀬駅があり、京香本線船瀬以東からの乗客がこの船瀬で両武快速線に乗り換え、永京へ向かうようです。混雑することからホームドアを設置するべきという話がありますが、快速線ホームに関しては特急列車が停車することから、ドア位置の関係で中々設置計画が進展しないようです。

 幕沼駅周辺はここ数年で再開発の勢いが強くなっており、特に駅の南側ではタワーマンションの建設が進められました。両武緩行線の車両基地が近隣にあることから、始発電車が多数設定されていることや、永京と津喜の中間地点にあり、利便性が非常に高いことが人気の理由となっているようです。快速電車も検見浜車両センターに入出庫する電車があることから、朝や夕方を中心にこの幕沼発着の電車が設定されています。

幕沼駅-津喜駅

 幕沼を出ると、次は検見浜に止まります。この幕沼~検見浜間は上り線と下り線の間に、広大な面積を有する検見浜車両センター(津ケミ)が存在します。この車両基地は、遠山原方面へ向かう特急や津喜駅以東、以南で運行される普通列車用の車両が在籍する車両基地で、2005年までは両武快速線用の車両も在籍していました。現在。両武快速線で快速電車として運行されるN1316系、N1602系4000番台、N1604系1000番台はいずれも寺浜支社の雪宮車両センター(寺ユキ)所属となっています。

 検見浜駅はもともと快速線ホームがありませんでしたが、2009年に津喜市と駅周辺の開発を進めていた当時の両得不動産などがホーム設置費用を負担したことから、快速電車も停車するようになりました。ホーム設置の際は元々上下線の間にあった留置線を廃止し、また下り線の線路を一部移設した上で島式のホームを建設しました。結急津喜線、結急東西線と津喜モノレールに接続しているということもあり、非常に利便性が高い駅となっています。

 次の停車駅である稲木駅は、こちらも津喜モノレールと接続している駅です。津喜モノレールが走っていない稲木区北部地域へ向かうバスも多数運行されており、東口前のロータリーには水色の両得バスや、団地へ向かう乗り合いタクシーが前身となる団地バスの車両がひっきりなしにやってきます。

 稲木駅を出ると、検見浜車両センターから出庫した列車が時間調整や待避を行う黒砂信号場、そして緩行線西津喜駅の脇を通り、津喜駅へ到着します。津喜駅は3番線から10番線までのホームを使用することから、永京方面行きの快速列車がどこのホームから発着するかわかりにくいと度々話題になります。このため津喜駅の改札付近にある表示器は、各方面の案内に加え永京方面への両武快速線の表示器が2画面設けられています。

 津喜駅は津喜県を代表する拠点駅であり、運行系統もこの津喜を境に大きく変わります。また2016年に商業施設を有した新しい駅舎が完成し、多くの人で賑わっています。近隣には両得百貨店津喜店、ちきり津喜店、津喜越後など百貨店や商業施設があり、津喜県内で最も人が集まる場所のひとつです。NR各線のほか、結急電鉄、津喜モノレールやバスにより、津喜県内各地へ向かうことができます。

昔の列車たち

「しおなみ」の運行開始

 特急「しおなみ」は1965年10月、横網駅(よこあみえき)と北遠山原駅を結ぶ列車として運行開始されました。当時の使用車両はボンネット型の1180系などで、同じく横網発着だった「みなみ」と同じ車両となっていました。

 なお、この年は横網駅-幕沼駅間が複々線化された年でもあります。

高速線連絡特急

 1970年、永神高速線津喜駅-八田山駅間が開通しました。しかし、永京駅までの延伸には時間がかかる予定だった(1982年に開通)ため、延伸までの間、(永京側の拠点駅であった)横網駅と津喜駅を結ぶ連絡特急が運行されることとなりました。

 車両はボンネット型の1180系が使用され、毎時1本ほどが運行されていたようです。なお、横網を出ると津喜までノンストップで走りました。

両武地下線開通

 1972年、両武地下線永京駅-但馬護町駅間が開通しました。この区間へは前面扉とATCを装備している車両でないと入ることができないため、特急列車には新型の1182系、快速列車には1312系1000番台が投入されました。

 1976年時点では、永京駅下り基準で毎時6本の特急と、毎時2本の快速が運行されていました。0分と30分に八田山方面三戸行き(奉旗行きフェリー接続)の特急「みなみ」、15分と45分に北遠山原行き特急「しおなみ」、7分に内郷線周り仁江行きの特急、37分に津喜行きの高速線連絡特急、22分と52分に津喜方面行きの快速が発車するダイヤとなっていたようです。

 なお、快速は22分発が奈原行き、52分発が内郷線直通北萩行きであることが多かったようです。

 一方で、引き続き横網駅発着の特急もわずかに残されました。1972年から1976年までの間は、特急「みなみ」と「しおなみ」の一部が、車両の都合により横網発着となっていましたが、1976年に地下線対応の1182系が揃ったため、すべて永京駅発着となりました。

永神高速線永京延伸に伴う変化

 1972年に登場した快速用の1312系は、当路線では1999年まで活躍していました。

 1982年、永神高速線が永京駅まで延伸しました。これに伴い、永京駅-津喜駅間で運行されていた「高速線連絡特急」が廃止されたほか、特急「みなみ」の運行本数が大幅に削減されました。特急「みなみ」は大半が外郷線周り仁江行きとなり、本数も毎時2本から毎時1本程度に減らされています。

 特急の減便により永京駅-津喜駅間の線路容量に余裕が出たことから、快速が毎時2本から毎時4本に増発されました。永京駅下り基準で0分(遠山原行き)、22分(内郷線北萩行き)、37分(奈原行き)、52分(外郷線周り仁江鉄道仁江空港行き)に発車することが多かったようです。

1988年3月改正

 民営化後に行われたこのダイヤ改正では、それまで昼間は毎時4本程度だった快速を、毎時6本に増発することとなりました。10時台から15時台までは、永京駅下り基準で0分(奈原行き)、10分(津喜行き)、22分(内郷線北萩行き)、32分(奈原行き)、40分(津喜行き)、52分(外郷線周り仁江鉄道仁江空港行き)にそれぞれ発車していくダイヤとなりました。なお、この年から快速は11両または15両編成となっています。

富街線空港支線開通

 1991年、寺井駅で分岐する富街線の空港支線が開通しました。これにより富街空港直通列車が新たに設定され、特急「富街エクスプレス」が毎時2本、富街空港行き特別快速が毎時1本ほど運行されるようになっています。

 富街エクスプレスは寺浜及び蓮庭から永京へ向かった後、永京駅で3両編成を2本連結し、6両編成で富街空港駅へ向かっていました。永京駅下り基準で0分と30分に発車するわかりやすいパターンダイヤが設定されました。

 1320系は1991年の快速増発に備えて導入された車両です。しかし、1999年までにN1326系に置き換えられて他線に転属しました。

 富街空港行き特別快速は、「エアポート富街」という名前で運行され、永京駅を毎時7分に発車していました。永京を出ると但馬護町、船瀬、幕沼、津喜、寺井、富街空港第二ビル、富街空港に停車しました。なお、1993年ダイヤ改正で停車駅が普通の快速と同じになり、「特別快速」としての運行は終了しています。

 なお、線路容量の都合で特急「みなみ」と内郷線周り仁江行きの特急は、永津線永京駅発着に変更されています。また、永京駅における快速の発車パターンが変更され、「2分(奈原行き)、10分(津喜行き)、22分(内郷線北萩行き)、32分(奈原行き)、40分(津喜行き)、52分(外郷線周り仁江鉄道仁江空港行き)」に変更されています。

 1991年に登場した1182系更新車。「グレードアップしおなみ」と呼ばれ、2006年まで特急「しおなみ」に充当されていました。

歴史

1965年 横網~幕沼間の複々線化完了。この当時の急行、快速は横網発着。

1965年 横網発着の快速を1300系(4ドア黄色)に置換え。

1968年 幕沼~津喜間の複々線化完了。津喜駅移転。

1972年 両武地下線永京~但馬護町間開業。特急、快速は永京発着に変更。

1973年 三浦線への直通運転を開始。逗子・久里浜方面行きが運行されるようになる。

1978年 一部の快速を11両から13両編成に変更。

1981年 すべての快速が稲木駅に停車するようになる。

1984年 永京駅~津喜駅間で「ホームライナー津喜」の運行を開始。

1987年 国鉄分割民営化により、今北旅客鉄道(NR今北)に継承される。

1991年 富街空港乗り入れ関連ダイヤ改正により、特急「富街エクスプレス」と快速「エアポート富街」の運転が開始される。

1993年 永京駅-津喜駅間の保安装置をATS-P形に変更。

1993年 新型車両N1316系(基本編成11両、付属編成4両)の営業運転開始。

1999年 1312系、1320系の永京駅-津喜駅間における快速運転を終了。

1999年 快速の最高速度を100km/hから120km/hに引き上げ。

2000年 永京駅-幕沼駅間で永京圏輸送管理システムの共用を開始。

2002年 富街空港駅発の列車に対する「エアポート富街」の名称廃止。富街空港行きのみが名称を使用することになる。

2004年 永京駅-但馬護町で使用されていた保安装置、ATCが老朽化した事に伴い、ATS-P形に変更される。

2008年 富街空港行き列車などの増発を目的に、N1602系4000番台が導入される。

2009年 検見浜駅への快速停車開始。同時に幕沼駅-検見浜駅間に永京圏輸送管理システム導入。

2015年 内郷線経由で仁江に向かう「特別快速」の運行を開始。

2017年 内郷線直通の特別快速を廃止。

2017年 外郷線直通列車を廃止。

2018年 新奥戸駅と市屋駅でのホームドア使用開始。

2019年 ホームライナー津喜を廃止。

2020年 永京圏輸送管理システムを検見浜駅-津喜駅間に導入。

2020年 新型車両N1604系の営業運転開始(12月)


※当ページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2023年07月22日

当ページ公開開始日 2020年06月13日