10系第1世代

両得電鉄10系0番台(津喜線編成)

さらなる標準化へ

登場時の姿。初期に導入された編成は種別幕と行先表示器が別々になっています。

 両得電鉄では1997年登場の80系100番台以降、新しい設計思想に基づいた車両設計を行うようになりました。NR今北などの他の鉄道会社でも導入されている標準仕様の車両を、少しカスタマイズして導入するようになったのです。この10系0番台(登場時は80系900番台)も同じ設計思想に基づいて設計されています。

 10系のベースはNR今北のN1600系(1998年試作車登場)です。N1600系は車両情報管理システムを搭載しており、各電動車ごとではなく編成全体を協調制御して効率良く走れるようなシステムを搭載しています。このシステムは津喜電機(当時)が開発した「NIMS(NR Information Monitoring System)」と呼ばれるもので、両得電鉄ではこれをカスタマイズした「RIMS(Ryotoku Information Monitoring System)」を採用することになりました。

 「RIMS」は、速度制御だけでなく車内放送、空調装置やパンタグラフの上げ下げなどを自動で行うことができます。また、配線を極力減らすことにより、メンテナンスの効率化と車両の軽量化を実現しました。

 車体は80系100番台の設計をベースに、汚損時に汚れを消しやすいよう外板の処理を一部変更したり、強度を高めるための車体構造変更を行ったりしました。内装デザインは80系100番台とほぼ同じ作りとしており、雰囲気を統一しています。

 編成は、津喜線の場合永京方から10-xx(Tc) 19-xx(M1) 18-xx(M2) 17-xx(6ドアT) 16-xx(M1) 15-xx(T) 14-xx(T) 13-xx(M1) 12-xx(M2) 11-xx(Tc)となっています。なお現在は17-xx(6ドアT)が4ドア車(17-10xx)に置き換えられています。

10系900番台

 10系900番台は、10系0番台の量産車搭乗前に導入された試作車両。登場時は「80系900番台」という名前だった。

 試作車ではあるが、基本的なシステムは10系0番台と変わらない。ただし、制御装置のメーカーが一部異なる他、つり革の形状が三角形ではあるが80系に準じた角ばっているタイプであるなど、細かい違いがある。

 2002年に登場し、10系に編入されたのは2004年である。他の両得本線用10系0番台と同様、2014年頃にデザイン変更(前面部分水色化)された。2019年12月にSiC-VVVFインバータ制御に更新され、走行音は他の編成とそれほど変わらなくなった。


導入ラッシュ

2004年度導入の11-22F以降は、フルカラーLED表示器を当初から採用しており、種別、行き先表示器が一体となりました。

 10系0番台は2003年2月にデビューした。第一編成(11-1F)から第二編成(11-2F)の導入までは8ヶ月ほど間が開いたが、第二編成導入後は2006年まで怒濤の勢いで導入が進められ、両得本線(現在の津喜線)、古林線(現在の遠山原線)で活躍していた80系0番台が転用されていった。

 導入線区は両得本線系統。三城総合車両センターに集中導入され、2006年までに10連62本が出そろった。このうち2004年度以降に導入された11-22F以降の編成(62編成中41編成)は、ドア上の案内表示器を一段LEDから15インチLCD(二画面)に変更している。片側の画面はデジタルサイネージ画面とされ、動画広告を表示できるようになったものの、アナログ伝送であることから画質の改善が課題事項となった(後の10系100番台ではデジタル伝送に変更されている)。

 2006年度には6連も登場し、4本が得原支社の遠青・奉典線、8本が仙豊支社の椎名・横渚線に導入されている。このグループに関しては、永京首都圏から離れた地域に導入されることから、ドア上の案内表示器はLCDではなく一段式LEDとされた。

2020年まで一部編成に連結されていた6ドア車両

 10連の編成については6ドア車が1両連結されていたが、ホームドアに対応できないことから、2013年度~2020年度にかけて80系100番台の余剰中間車により置き換えられている。6ドア置き換え用の80系100番台中間車は、仕様を10系0番台に合わせる改造を行い、10系0番台(16-XX)に編入された。

 ちなみに、10系0番台と80系100番台ではつり革の形が微妙に異なっており、編入の際はつり革が10系0番台標準のものに改められた。また、LCD搭載編成に関しては、案内表示器を一段式LEDからアナログ伝送のLCDに交換している。

 また、2005年度に導入された編成からは、車内の空調吹き出し口がFRP製のものからアルミ製のものに変更されており、その見た目も異なるものとなった。

 6ドア車置き換え用として、80系100番台から編入された車両。固定窓の開閉化を行ったことから、窓枠の形状が異なっています。

仙豊支社仕様

 2005年度に椎名・横渚線に導入された編成は、ドア窓の形状が異なっています。

 2019年度と2020年度には、車体塗装が変更されました。

デザイン変更と更新工事

 2013年度からは「両得電鉄ブランドUPプロジェクト」の一環として、前面部の塗装を変更することになりました。従来は側面のステンレス部分に合わせた銀色でしたが、これを10系100番台と同じ水色に塗装し、一目で両得電鉄の車両であることを認識できるようにしています。また、夜間や悪天候時の視認性を向上させるため、前照灯を上部にも追加しています。ちなみに、初期に導入された編成は塗装変更のタイミングで表示器をフルカラーLEDに交換しています。

 2013年のデザイン変更では、LCD画面のデザイン変更も行われました。新たに採用されたデザインは、2012年度以降に導入された10系100番台に準じたものとなりました。

 2019年度からは、2003年度から2006年度の間に導入された0番台の10連を対象に、走行機器の更新工事が開始されました。この工事では、走行機器の信頼性向上と省エネルギー化を目的に、VVVFインバータ制御装置を津喜電機製IGBT-VVVFインバータ制御装置から、津喜製作所製のSiC-VVVFインバータ制御装置(30系500番台と同等のもの)に変更しています。新しい制御装置は、従来のものよりも小型で軽く、消費電力量も少なくなっているのが特徴です。

 内装はほとんど変更されていませんが、車椅子スペースの名称が「フリースペース」に変更されたことを踏まえ、フリースペースの床に車椅子とベビーカーのイラストを配置し、これをオレンジ色とすることで識別しやすいよう配慮しました。

10系1800番台

 2022年5月より運用を開始する予定の車両です。元は60系の車体を80系0番台に準じたものに更新した「60系800番台」ですが、2005年から行われた更新工事で車両モニタ装置「RIMS」を搭載しており、機能的には10系0番台と変わりません。

 10系1800番台化にあたっては、台車の交換(溶接箇所を減らした新型台車)や内装の一部更新(ドア上への2画面LCD設置)を行いました。なお、2005年の更新工事で搭載されたVVVFインバータ制御装置などは、更新されずそのままとなっています。

 編成は8両編成から6両編成に短縮し、かなで線観林線で運用されます。

10系80番台

 10系80番台は、2022年度に10系100番台の余剰中間車(サハ)を改造して登場した車両です。ロング・クロス転換座席を備えており、7両が改造されました。

 1編成につき1両が連結されており、三城車両センターの10系0番台10連7編成にそれぞれ連結されています。

 2023年3月ダイヤ改正以降は、永急線・地下鉄民谷線直通の快速に充当される予定です。

 なお、入れ替わりで80系100番台改造の中間車7両が廃車となります。


※当ページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2023年11月01日