60系

 60系は、1971年に製造され、1972年にデビューした両得電鉄(当時)の特急型車両です。

 1978年に開港した新永京国際空港(現在の富街国際空港)へのアクセス特急「翔(しょう)」専用車両として、グレーの0番台(登場時は6両編成)が導入されました。

 当初は遠山原高速線が建設され、通る予定だった富街空港へのアクセス列車として、気合いの入った設計とされました。当時最新鋭だった界磁チョッパ制御や、両手操作形のワンハンドルマスコンを採用し、これらは後に登場した車両にも影響を与えています。

 1973年には、遠山原・八田山方面への特急用車両として、8両編成の赤い50番台も登場しています。

 1973年10月時点では、上谷駅から古林・得原本線(当時)を経由して遠山原駅へ向かう特急、上谷駅から両得本線(当時)を経由して奈原・堀川海岸駅へ向かう特急、上谷駅から両得本線、北萩・古房急行線、仙豊鉄道線を経由して八田山駅へ向かう特急に充当されていました。

 グレー塗装の0番台も、富街空港の開港が遅れたことから50番台と同じ列車に充当されたり、臨時列車として仙豊鉄道(当時)に乗り入れたりしていました。

 当初は従来のツーハンドルマスコンとは大きく異なる、両手操作形ワンハンドルマスコンに戸惑う乗務員も多かったようです。実際に1年ほどかけて習熟運転が行われました。定速走行機能を有しており、カーブの多い区間では重宝されたようです。

 1979年からは遠山原方面への特急列車をスピードアップするため、50番台が増備されています。

 1980年度以降に導入された車両は、フロントデザインが変更されています。このタイプは1988年度まで導入されました。

 1990年には後継車である90系が登場し、1993年までに0番台が置き換えられました。しかし、0番台の車齢は当時まだ20年程度であり、余剰車両を活用することになりました。

 1991年に登場した3ドア車は、折り戸を車体中央に増設した「簡易3ドア改造車」です。遠山原エリアや北萩・古房急行線(当時)の乗車率が少ない列車に充当されたものの、ドア幅が狭く乗降に時間がかかることから、少数派のまま引退しました。

 1993年には0番台の走行機器を流用し、80系0番台に準じた新製車体を組み合わせた「800番台」が登場しました。当時の両得電鉄は、複々線区間の延伸や増発、ベイコネクト線延伸により通勤電車不足となっており、新造車よりも少ない予算で導入できるこの車両はありがたがられたようです。

 しかし、元々特急列車向けの機器セッティングとなっていることから、高い加速度が求められる通勤電車には不向きな性能となっていたようです。回生失効も45km/hと早く、乗務員からの評判はいまいちでした。

 1995年度からは再び「簡易3ドア化車」が登場しました。一部の座席を撤去したりロングシートにしたりして、遠山原県内で運行されていたようです。しかし、乗降性に難があることから、2008年に全車が引退しています。

50番台の置き換え

 長らく遠山原方面の特急などに充当されていた50番台ですが、2008年度から2012年度にかけて、後継車両のRE系によって置き換えられました。初期車が2008年度に8本、2009年度に8本、2010年度に6本置き換えられ、後期車は2010年度に5本、2011年度に10本、2012年度に10本置き換えられています。

 0番台同様に新しい車体と既存の走行機器を組み合わせることも考えられましたが、ランニングコストが高いと判断されたため一部を除き廃車・解体されました。

更新工事

 少ない予算の中、できるだけ多くの通勤電車を導入するために登場した 800 番台だったが、走行機器は界磁チョッパ制御のままで、走行特性も他の通勤電車と異なっていた。特に時速 45km/h での回生失効は、運 転士に不評だった。そこで、走行特性の共通化とメンテナンス性向上を目指し、2005 年から走行機器の更新 工事が行われることになった。800 番台の更新工事は「新型車両と比べてそん色ないレベルにする」という方針で行われている。まず制御方式を界磁チョッパ制御から IGBT 素子 VVVF インバータ制御に変更。これに伴い、モーターを複巻整流 子電動機からかご形三相誘導電動機に変更している。この際、VVVF インバータ装置やモーターなどの部品は 10 系 0 番台と同じものを採用したことにより、10 系と同じ走行性能とすることができた。また、更新工事では走行機器だけでなく、車両モニタ装置 (RIMS) の搭載も行われている。

譲渡

 800番台と同等の仕様に改造された車両が、津喜県の仁江鉄道などに譲渡されている。仁江鉄道に譲渡された車両はオレンジと白の帯を巻き、日中は15分間隔で線内を往復している。


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当ページ最終更新日 2023年07月01日