54201・54291形

登場の経緯

1963年に登場した通勤型電車。車内においては「C24」と呼称されることが多い。

走行機器などは1958年に登場していた高性能電車53501形(C85)をベースとしているが、車体は新規設計した長さ20m級のものを採用している。大型車体の採用により定員数を多く確保できたが、その効果は朝ラッシュ時に思いっきり発揮された。

当初は20m級車両が入線できない区間もあったことから、運用面で多少の不満があったという。それでも、ラッシュ時に多くの乗客を一度に乗せられる収容力が評価され、次第に入線可能区間が増えていった。

車両性能は地下鉄直通にも対応できる加速性能、地上線における高速走行性能を両立している。ギア比は高めに取られており、最高速度は100km/hだ。どの区間、状況でも運用しやすいと好評であるが、高速度域ではモーターなどの音がうるさい。ちなみに、地下鉄直通対応を考慮した加速性能は、意外にも山岳区間でも役立っている。というのは、急勾配では高い加速性能がないとうまく加速できないからだ。

54201形は導入コストがそこそこでメンテナンスがしやすいという理由で、1979年までの16年間導入され続けた。導入期間が長いだけでなく、車両数も多い。長年に渡って仙豊電車の「顔」として親しまれ続けたのである。そんな54201形も、1990年代に入ると老朽化してきた。

長く使うか、置き換えるか

54201形の老朽化対策は、「更新して長く使う」という案と、「新車で置き換える」という案の二つが検討された。この案が検討されていた頃の仙豊電鉄は、不動産開発で絶好調だった時期。資金的に余裕があったことから、後者の案が採用されることになった。

しかし、バブル崩壊による仙豊鐵道の経営危機の影響を受け、結局多くの車両が更新されて長く使われることになった

54201形の本格的な更新工事が開始されたのは、1993年のこと。この更新工事では、一部機器の交換や車体の修繕が行われた。一方、目立つ部分のデザインは一切変更されていない。機器も従来と同等の部品に取り替えたに過ぎない。しかし、54201形の一部車両は、VVVFインバータ制御に改造されたのだった。

VVVFインバータ制御に改造された54201形

54201形は仙豊支社で最初のVVVFインバータ採用形式である。1984年にVVVFインバータ制御装置のテストを兼ねて改造された編成は、8両固定編成とされて仙豊本線などで活躍した。1986年からは当時別の鉄道だった両得電鉄にも乗り入れている。この編成で得られたデータは、後に登場した54391形、54401形に生かされている。

VVVFインバータ制御に改造された編成はそれだけではない。1994年に8両編成3本がVVVFインバータ制御に改造されている。こちらは装置のテストが目的ではなく、単純に性能を向上させることが目的だった。

54291形

 54201形の車体をステンレスにした電車。制御装置に電気子チョッパ制御を採用していたが、1999年にGTO-VVVFインバータ化された。4両編成2本しか存在しない少数派。

1979年登場。


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当ページ最終更新日 2023年11月15日

当ページ公開開始日 2018年09月27日