阪徳電鉄に貸し出された際の姿。
2018年9月のことでした。大阪と徳島の間を結んでいる「阪徳電鉄(はんとくでんてつ)」で、両得電鉄(当時)の30系100番台が期間限定運行することになったのです。
これは、阪徳電鉄が特急列車とは異なる着席サービスの提供を検討していたことにより実現しました。というのは、期間限定で運行された30系100番台には1両、「新型2階建て車両」として2018年度に2両が導入された「30系9000番台」の「37-9001号車」が組み込まれていたのです。
編成は、草深総合車両センター(当時)所属の津古線向け30系100番台で、1両が連結されているロング・クロス転換座席車両は新型2階建て車両に差し替えました。
試運転が9月から10月にかけて行われ、11月1日から2019年3月まで特定の運用に充当されました。なお、この際に津古線のラインカラーである赤色は、緑色に一時的に変更されています。
運行区間は、阪徳電鉄の大阪梅田駅から徳島駅までの間と、相互直通運転を行う永阪電鉄の大阪梅田駅-京都烏丸駅-大津駅間でした。
余談ですが、両得電鉄と永阪電鉄は、2018年7月2日より永京都心側で相互直通運転を開始していましたが、さすがに関西まではやってこないことから、試験運行でハンドルを握った運転士は、初めて両得電鉄の車両を運転することになりました。
11月と12月は、基本的に土日祝日のみ運行(平日に運用入りしたこともありました)、1月から3月の間はラッシュ時の運用のみに入りました。
なお、2019年3月の試験運行終了後は、37-9001号車を元々連結されていたロング・クロス転換座席車両に差し替え、またラインカラーを元の赤色に戻して草深総合車両センターに返却されました。
試験走行開始時、返却時の回送は、共に自走で行われました。回送ルートは、阪徳電鉄→永阪電鉄→高品駅→ベイコネクト線→津喜急行電鉄(当時)→連絡線→両得本線(当時)両得幕沼駅→睦井駅→折り返して若葉の森線→津古線というルートで運行されていました。