天露鉄道

概要

 天露鉄道(あまつゆてつどう)は、西倉県内で鉄道、バス、フェリーなどを運行しています。

 鉄道路線は「天露本線」「天露新線」「奥山線」「御崎線」の4路線を運行しています。


沿線概況

天露本線

主力のキハ1000系は、両得デハ200型とほぼ同じ設計の車体だ。

 天露本線(あまつゆほんせん)は、稲穂市の皆島駅(みなしまえき)と、奥山市の小林駅(こばやしえき)を結ぶ路線です。

 起点の皆島駅は、にしくら鉄道南東本線に接続している駅です。駅は3面6線で、天露本線の列車が使用しているのは海側の1面2線です。駅の南側には車両基地があり、天露鉄道線全線で活躍する車両のメンテナンスが行われています。

 起点駅ではありますが、大半の列車がにしくら鉄道の稲穂駅まで直通します。昼間は皆島駅から篠田駅まで普通列車が毎時2本(30分前後の間隔)運行されているほか、朝と夕方には快速(一日上下2本)が運行されています。快速は稲穂駅を出ると、皆島、小野、津久葉、篠田に停車し、篠田からは各駅に停車します。

 皆島駅を出ると、すぐににしくら鉄道と別れ、海沿いを走っていきます。三つ先の小野駅近くには造船所(稲穂システム小野造船所)があり、通勤時間帯には造船所などへの通勤客で混雑します。稲穂システムと当鉄道の関係は深く、自社発注した車両はすべて稲穂システム(または前身の稲穂造船)製となっています。

 小野駅までは造船所への通勤客のほか、沿線の人口が多いこともあって複線となっていますが、小野駅からは単線になって、景色ものどかになります。小野駅と次の深江駅までの間は長いトンネル(小野トンネル)で直線的に結ばれていますが、このトンネルが出来たのは1983年のこと。それ以前は南へ遠回りして深江へ向かっていた旧線を経由していました。旧線の後は設備が完全に撤去されましたが、所々盛土などの遺構が残っている場所があります。

 深江駅は海岸近くまで山が迫る場所にあり、非常にのどかな景色が広がっています。駅周辺の平地がかなり限られており、故に周辺にはあまり人が住んでいません。この深江駅から半島を一周して、小野駅まで向かう路線バスも3時間に1本ぐらい運行されています。駅の隣にはバス運転手の休憩所があります。休憩所にはバスの時刻表が掲載されていますが、現在運行されているのは半島周り小野行きの1路線だけで、空いたスペースにはうっすらと廃止された路線の名前が残っています。休憩所はすっかりボロボロになっており、隣で休むバスも古くささを感じる見た目です。

 快速停車駅である津久葉駅(つくはえき)は、駅近くに漁港や魚の加工工場があります。深江に比べて開けている場所が広いため、その分民家も密集しているようです。この津久葉を出ると、山越えの区間に入ります。ディーゼルカーが唸りを上げながら坂を上り、程なくしてトンネルに入ります。この区間が最も勾配が急で、かつてはスイッチバックが設けられていました。

 トンネルを抜けると今度は坂を下り、天露市の中心である篠田駅(しのだえき)へと向かいます。篠田駅は駅周辺に市役所や大きなスーパーがあるほか、少し離れた所には漁港や高校があります。海の向こうには柏村市街と山々が見えます。のどかな景色ですが、風情があるので時折ドラマや映画の舞台となります。篠田駅そのものは2面4線の駅で、駅の北側(海上神宮方)には車両基地があります。

 篠田駅を出ると天露新線(後述)と別れて、再び海沿いを走っていきます。風光明媚な区間が続きますが、特に雰囲気があるのが海上神宮駅(うなかみじんぐうえき)周辺です。駅の近くにある海上神宮は、大昔から航海の安全を願い多くの参拝客を集めてきました。「交通安全」「旅行」に御利益があるとされ、西倉県南部エリアでは初詣の定番スポットとなっています。お正月には稲穂駅-皆島駅-海上神宮駅間で毎年終夜運転も行われ、多くの参拝客を受け入れるため、立派な駅舎と2面3線のホームを有しています。

 離島へのフェリーが発着する七海駅(ななみえき)では、篠田駅で分岐した天露新線と再び合流します。天露新線は1990年に開通した路線で、ほぼ全線が1つのトンネル(天露トンネル)となっています。トンネル内のみ最高速度が100km/hとなっており、稲穂市街と天露市南部、奥山市方面への所要時間を短縮しました。

 香里駅(こおりえき)は難読駅名として知られています。天露市南部の中心地で、2005年以前は「香里町」という小さな町でした。駅からは鉄道のない天露市南部を通り、津久葉駅へと向かう路線バスが発着しています。この香里駅の次の「香里港駅(こおりみなとえき)」は、その名の通りかつては港があった駅でした。1978年にこの香里港駅と、対岸の小林港駅(こばやしみなとえき)までの間に橋(道路2車線、鉄道1線)が建設され、船は廃止されました。

 橋を渡り奥山島(奥山市内)に入ると、程なくして奥山環状線と合流する小林駅に到着します。稲穂・皆島からやってきた列車(1時間に1本ほど)は、ここから島を一周して再び小林駅に戻り、折り返してまた島を一周して稲穂・皆島方面へと向かいます。

奥山環状線

 奥山環状線(おくやまかんじょうせん)は、奥山島(奥山市)の沿岸部を一周する環状路線です。1時間に1本、稲穂・皆島方面からやってきた列車が小林駅から小林駅まで一周し、小林駅で折り返して再び一周したら、稲穂・皆島方面へと走り去っていきます。

 小林駅を出た列車は、単線非電化の線路をひたすら進んでいきます。奥山市の中心地は、港のある奥山駅(おくやまえき)周辺ですが、それ以外は人口が少ないため、利用客も多くないようです。利用客が多いのは奥山、小林のほか、漁村のある権兵衛駅(ごんべええき)、尊敬駅(そんけいえき)、そして神社がある奥宮駅(おくみやえき)の各駅です。奥山駅には古くからの歴史を有する奥山神社があり、「奥山島の奥にあるから『奥宮』」と呼ばれています。海にある鳥居と、数々の伝説が伝わる山々の眺めは、全国各地から多くの観光客を集めています。

 フェリーとバスに接続している奥山駅には車庫があります。1978年の奥山橋(天露本線香里港-小林港間)完成以前は、奥山線の車両はすべてここで整備されていました。また、1984年まではフェリーによる列車輸送が行われており、今は離れ小島となっている御崎線へ直通する列車も運行されていました。

御崎線

 御崎線(みさきせん)は、にしくら鉄道南東本線の志多小湊駅(したこみなとえき)と、半島の先にある御崎駅(みさきえき)までを結ぶ路線です。他の路線とは直接繋がっていないため、当鉄道の中では離れ小島的な路線となっています。全線非電化・単線であり、1両編成のディーゼルカーが1時間に1本ほど運行されています。

 沿線は高齢化及び過疎化が進んでおり、度々廃線の噂が流れます。2022年度の輸送人員は、ピーク時の半分以下となっており、2025年までにバス転換するかを決めたいとしています。

 終点の御崎駅は港と直結しており、離島へのフェリーと接続しています。路線単体で見ればいつ廃線になってもおかしくない当路線ですが、フェリーに接続することで離島へのアクセス手段となっていることを鑑みると、簡単に廃線できない存在であることがわかります。

 ちなみに、当路線で活躍しているディーゼルカーが検査を受ける際は、にしくら鉄道南島本線経由で皆島駅まで回送され、皆島の車庫で検査を受けます。

バス

↑仙豊県からやってきた中古の路線バス

 バスは皆島、篠田、奥山、志多小湊、駒村、起田、冠城に車庫があります。地域に密着した路線バスのほか、稲穂と西倉、風杜などの都市を結ぶ都市間高速バスも走らせているようです。高速バスは新車、路線バスは風杜市営バス(現在は民営化されている)の中古が多いようです。20年以上活躍しているバスも多いですが、近年はノンステップの中古バスも多くなってきて、2ステップの古いバスは姿を減らしています。

 最も古いバスは1972年製のバスです。1972年は西倉県と風杜府、貝原県でアメリカ統治時代からの右側通行が左側通行に変更された年。この時にすべてのバスが左側通行用の新車に置き換えられることになり、稲穂造船(当時)などの地元メーカーによって「72バス」が大量製造されました。歴史的な出来事に伴い導入されたバスということで、路線バスタイプの1台が記念に残されています。

 72バスは路線バスタイプと観光・高速バスタイプの2種類があり、1973年には上原、海上県に、1974年には月野、平磯県に、そして1975年には塩見、香島県にも導入されました。


※当ページの内容はフィクションです※

当ページ最終更新日 2023年11月26日

当ページ公開開始日 2023年11月26日