香取線
概要
香取線(かとりせん)は、西倉県山下市の山下駅(やましたえき)と、中夜市の中夜駅(ちゅうやえき)の間を結ぶ、NR富原(富原旅客鉄道)の鉄道路線です。列車の運行はNR富原が行っていますが、大半の線路などの設備は「風杜都市圏鉄道」が保有しています。
2000年代に風杜府・西倉県が「広域鉄道計画」の一つとして計画し、2016年に中夜駅-香取駅間、2021年に香取駅-山下駅間が開通しました。この路線の開通により西倉県西部の利便性が大きく改善されたほか、風杜都市圏とNR北光本線方面間の貨物列車をスピードアップさせることもできました。
2023年3月時点では、朝ラッシュ時に毎時8本(香取駅→中夜駅間)、10時台から15時台頃まで毎時2本(香取駅-中夜駅間は毎時4本)、夕方に毎時7本(中夜駅→香取駅間)の各駅停車が運行されています。
※初期
車両は4両編成で、2016年の第一期開業時に導入された1000系(上の画像の車両)と、2021年の延伸・増発時にデビューした2000系(下の画像の車両)が活躍しています。
なお、2023年10月からは、途中の万力中岡駅(まんりきなかおかえき)でNR城水線に接続するようになります。城水線との直通運転も計画されており、昼間は毎時2本の電車が香取駅まで乗り入れる予定です。また、風杜駅から当路線を経由し、北光本線雲浜駅(くもはまえき)まで走る特急電車も1日5往復新設されます。
沿線概況
起点の山下駅(やましたえき)は、当路線の建設にあわせて高架化され、2面4線の駅となっています。外側1番線と4番線が北光本線ホーム、内側2番線と3番線が当路線のホームとなっており、基本的に海側の2番線ホームから発車します。電車の本数は大半の時間帯で1時間あたり2本となっており、当駅で北光本線と接続出来るように配慮されたダイヤが組まれています。
山下駅を出ると、大きく右にカーブします。当路線には踏切が一切なく、すべての道路と立体交差しており安全性が高くなっています。車両(主力の1000系または2000系)の最高速度は110km/hですが、線路は160km/h運転にも対応できる規格で建設されており、当路線に対する「本気度」がうかがえます。
2023年10月からは、1日5往復の特急が走るようになる当路線。一方で沿線の開発はさほど進んでおらず、車窓からは田園風景や山々が見えます。人口が少ない地域を走ることから、駅の間隔も長くなっています。
1駅目の本村駅(もとむらえき)は堀割の中に2面2線の相対式ホームがあります。駅周辺には由来にもなった本村集落がありますが、人口はさほど多くなく、高齢化が進んでいます。町内会の代表である金原秋実さんは「電車が出来てだいぶ便利になった。しかし、この町に移り住んでくる人はごくわずかで、観光資源にも乏しい。なんとか活性化できたらいいのだが」と語っていました。
本村駅の駅前には山へと向かう路線バスが通っており、登山客需要も見込めそうです。しかし、この次の諸吉駅(もろよしえき)の方がバスの本数が多く、かつ駅から比較的近い所から登山ルートが始まるということもあって、登山客はみんな諸吉駅の方に行ってしまうとのこと。市としても諸吉駅への登山客誘導に力を入れているため、そもそも本村駅という駅があることを知らない人も多いのだとか。
諸吉駅(もろよしえき)は2面4線の中央に通過線を備えた構造の駅です。駅からは山の方へ向かうバスのほか、山の下の愛甲市街へ向かう路線バスも走っています。愛甲市は富原自動車の本社がある場所で、関連の工場も多数あります。そのため、愛甲市街への通勤需要も多く、駅の周辺には新しい戸建て住宅が建ち並んでいます。
しかし、戸建て住宅に住む人々の大半は、自家用車かバスで愛甲市に通勤しており、当路線を使い通勤・通学するという需要はほとんどないようです。
水主町駅(みずぬしまちえき)までが山下市内で、次の桜馬場駅(さくらばばえき)からは南香取市に入ります。桜馬場駅付近まで来ると沿線に住宅街がちらほらと見えてくるようになり、香取駅に近づくとマンションも見えてきます。
香取駅(かとりえき)は2面4線の駅で、地上の富原電鉄線と交差している駅です。この駅から中夜駅までの区間は利用客が多く、この駅始発で中夜駅まで向かう電車も多数設定されています。
香取駅を出ると程なくして丘陵地帯に入り、2024年度に大型商業施設がオープンする予定の大佐駅(たいさえき)、2023年10月より城水線に接続予定の万力中岡駅(まんりきなかおかえき)を通っていきます。
高速線の線路脇にある武部駅(たけべえき)を過ぎると、終点の中夜駅に到着します。