西豊本線

概要

 西豊本線(さいほうほんせん)は、奉旗県の奉旗駅(ほうはたえき)と新垣駅(にいがきえき)、川名駅(かわなえき)から神場府(鳥豊地方南西部)の三沢駅(みさわえき)までを結ぶNR今北(今北旅客鉄道)の鉄道路線です。二つの区間に別れているのは、かつては新垣駅-川名駅間もNR今北の路線だった名残ですが、1999年10月以降のこの区間は並行在来線の中海しおかぜ鉄道により運行されています。

 鳥豊本線が鳥豊地方の東側を走るのに対し、「西豊」という名前の通り西側の沿岸部を走ります。途中の主要都市は、按針(あんじん)、新垣(にいがき)、稲倉(いなくら)、石和(いさわ)、船越(ふなこし)、松岸(まつぎし)、上原(うえはら)、矢尾(やお)です。沿岸部を走る区間が多いことから、漁港がある町を数多く経由するのも特徴です。

 1999年10月に並行する高速線(西豊高速線)が開業するまでは、鳥豊地方西部の長距離輸送・近距離輸送の両方を担っていましたが、高速線開業以降は比較的近距離の輸送比率が大幅に高まっています。

沿線概況と車両

奉旗-新垣間

鳥豊北部 (クリックで地図画像拡大)

 奉旗(ほうはた)は4面8線の非常に大きな駅で、駅の西側には大規模な留置線も設けられています。当路線の列車は主に南側の1番線と2番線から発着します。

 奉旗から按針までの区間は沿線人口が多く、昼間も1時間あたり快速2本、各駅停車4本が運行されています。快速は奉旗を出ると、中谷(なかたに)、富津(ふっつ)、鳥豊太東(とりとよたいとう)、寺沢(てらさわ)、按針(あんじん)に停車します。6両編成で運行されることが多いようです。

 各駅停車は4両または6両で運行されることが多く、昼間は奉旗駅基準で郡行きが毎時2本、富永本線新按針行きが毎時1本、富永本線・深谷線直通戸須行きが毎時1本運行される時間帯が多いです。

 以前は快速、各駅停車ともに3ドア車両で運行されることが多かったですが、現在は4ドアのN1330系で運行されることが多いようです。


 線路は全線複線で、途中の中谷、富津、寺沢、按針、舟橋、郡、宇尾、御影、良義、愛着善光寺、新垣で待避及び列車接続を行うことができます。西豊高速線開通以前は特急列車も多数運行されており、よく普通列車が特急を待避したり、特急に接続したりする光景を見ることができました。

 奉旗を出た列車はしばらく住宅街の中を走っていきます。途中の中谷駅(なかたにえき)までが特に人口集中しているエリアで、ラッシュ時になると永京首都圏の電車並みに混雑することもあります。一方、中谷を過ぎると次の関沢(せきざわ)まで丘陵地帯を走ることもあって、車窓に緑が増えていきます。

 富津は駅の近くに火力発電所や自動車工場などがある「工業の街」で、通勤利用が多い駅となっています。マイカー通勤する人も多い中、駅前からは工場などへの通勤送迎バスが出ており、鉄道で通勤する人も多いようです。1995年までは駅から鳥豊電力奉旗火力発電所及び、自動車工場へと至る貨物支線がありましたが、貨物列車がトラック輸送に切り替えられたため廃止・撤去されてしまいました。

 海を見ながら、入り江の町を快走していくと、次の快速停車駅である鳥豊太東に到着します。この駅は通勤利用の多い富津に対し、通学利用の多い駅となっています。駅の周辺には3つほど高校があり、坂道が多く眺めが良いことや、少し離れた所に大きな観音像が建っているロケーション故に、度々アニメの舞台になっています。

 横砂(よこすな)まで来ると車内も閑散としてきます。横砂の由来は「横に砂浜がある」ことで、実際に駅の隣には横砂海水浴場があります。現在は2面2線の相対式ホームとなっていますが、2006年までは2面3線構造で、かつては夏になるとこの駅行きの臨時列車が運行されていたそうです。

 富永本線が分岐する按針は、3面6線の拠点駅となっています。奉旗駅と同じく、駅に隣接して車庫が設けられており、当路線及び富永本線の電車、小諸線で運行されるディーゼルカーが休む場所となっています。

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 按針を出ると、快速が各駅に停車するようになります。昼間は快速と各駅停車が交互に運行されており、15分前後の間隔で列車が来るようになっています。各駅停車は按針鉄道桂線に乗り換えられる郡(こおり)まで運行されることが多いようです。

 郡を出ると人口密集地を抜けて、のどかな地域に入っていきます。宇尾(うお)の手前には線路沿いになのはなが植えられている場所があり、なのはなと列車を一緒に撮影できる人気スポットとなっているようです。

 さて、按針~新垣間は「須賀山(標高2356m)」を避けるようにして線路が敷設されたため、非常に遠回りなルートとなっています。都市間輸送はより直線的なルートで按針~新垣間を結ぶ結急奉鴨本線が担っているため、当路線は地域間輸送に徹しているようです。宇尾を過ぎると快速の本数も1時間に1本に減ってしまいます。


 新垣(にいがき)は並行在来線としてNRから分離された「中海しおかぜ鉄道」との境界駅であるほか、NR大里線にも接続しています。

新垣-川名(中海しおかぜ鉄道区間)

1326系

 1993年度から2001年度にかけて導入された車両です。

 1995年度からは制御装置をドイツ「ダンプフ社」製GTO-VVVFインバータに変更した2000番台が新たに登場しており、特徴的な加速音で知られていました。現在は全編成が大洋製IGBT-VVVFインバータ制御装置に更新されており、海岸沿いの区間では主力の車両となっています。

川名-松岸間

鳥豊南部 クリックで地図画像拡大

 川名(かわな)は奉旗県と石和県の県境に近い場所にあります。NR西豊高速線開通時、NRから分離された「中海しおかぜ鉄道」との境界駅となっており、この駅から再びNR線区間となります。一方で稲倉駅(いなくらえき)までは中海しおかぜ鉄道と一体的な運行が行われており、ほとんどの列車が中海しおかぜ鉄道の車両で運行されています。

 稲倉駅からは電車の本数が増え、概ね30分前後の間隔で普通列車が運行されるようになります。石和県内で第一の都市(石和)と第二の都市(稲倉)を結ぶということで需要が多いのです。西豊本線松岸方面行きと、田井中線田井中方面行きが交互に運行されています。

 宇名緑川(うなみどりかわ)からは海に近い区間を走ります。近くには国道61号線が通っているほか、2005年に廃線となった西方鉄道稲倉線の廃線跡も所々に残っています。


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 石和(いさわ)は西豊高速線及び田井中線に接続している駅で、県庁所在地の中心駅ということもあって駅周辺は栄えています。鳥豊地方の西海岸沿いでは最も大きな街なので、駅の近くにはいさわ百貨店や石和大学、県立美術館などもあります。

 石和を出ると田井中線と分かれ、引き続き海沿いを走っていきます。沿線人口があまり多くないため、普通電車の本数が再び1時間に1~2本程度に減ります。一方、石和と魚住を結ぶ特急列車も運行されています。


1602系4000番台

 2007年度から松岸駅-三沢・神場方面間と西海岸線に導入されている車両です。8両編成であり、松岸駅-神場-西海岸線方面を直通する電車は現在はすべてこの車両で運行されています。また、一部の編成は4両ごとに分割できるようになっており、一部の時間帯では稲倉駅-松岸駅間でも運行されます。

松岸-神場間

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 松岸から神場(かみば)までの区間は、当路線の中で最も利用客数の多い区間となります。特に神場都心武への通勤圏内となる上原(うえはら)から神場までは、特に利用客数が多く、運行本数も増えます。

 昼間は松岸-上原間で快速毎時3本、上原-神場間で快速毎時3本、各駅停車毎時6本が運行されています。加えて、我妻空港-大内-神場間では特急「我妻エクスプレス」が30分前後の間隔、鳥豊緩行線直通の区間快速が20分間隔で運行されています。

 松岸を出た電車は、海沿いを離れ内陸部を東に進みます。私鉄の狭電気鉄道と接続する田(でん)付近までは平坦な区間ですが、田を過ぎると山越えのため上り坂を登るようになります。難所は由里(ゆり)から惣太夫(そうだゆう)までの区間で、かつてはスイッチバックが2箇所に設けられていました。SLが走っていた頃は、重連で力強く客車や貨車を引っ張っていたようですが、1970年代にトンネル新線が建設されて以降は、スイッチバックが解消されてスムーズに走れるようになりました。

 長いトンネルを抜けて惣太夫駅に到着すると、いよいよ神場平野の中へ入っていきます。惣太夫からは国道64号線との交差地点に近い千城(ちしろ)まで、慎重に下り坂を下っていきます。この区間は勾配が急であるため、松岸方面の電車はモーターを唸らせて走り、逆に神場方面の電車はブレーキをかけ続けながら走ります。

 国道64号線を立体交差で越えると、神場駅40km圏内の中へ入ります。上原(うえはら)は運行上の拠点駅となっており、車庫もあります。NR西神線(にしがみせん)と接続していることもあって利用客数が多く、この駅を境に昼間は20分前後の間隔の快速に加え、10分前後の間隔の各駅停車も走るようになります。

 我妻(あがつま)では宗吾電気鉄道吾妻線と接続しているほか、車両基地(我妻車両センター)もあってラッシュ時には始発電車も設定されています。我妻から神場都心の新宿(しんじゅく)までは、宗吾電気鉄道経由の方が所要時間・距離・運賃が安いため、この駅で乗り換える人も多いようです。

 当路線では宗吾電気鉄道への旅客流出を抑えるため、2021年3月改正までは通勤快速を走らせていました。我妻までは各駅に停車し、我妻を出ると新宿までノンストップで駆け抜けていました。しかし、社会情勢の変化による利用状況の変化に伴い、現在は廃止されてしまいました。

 我妻を出ると戸建て住宅地の中を走っていきます。北側には高さのあるマンションが建つ一方、南側は戸建て住宅や2階建てのアパートが建っています。これは近くに我妻空港があるためで、離着陸する飛行機の邪魔にならないよう、高さ制限が設けられているからです。

 大内駅(おおうちえき)では、その我妻空港からの支線が合流してきます。我妻空港支線は、1991年に開通した比較的新しい路線です。開通以前は神豊急行電鉄(現在の結急電鉄)が空港アクセスを担っていましたが、それに対抗してNRでは空港アクセス特急「我妻エクスレス」を運行するようになりました。

 我妻エクスプレスには、永京首都圏(地図)で運行されている空港アクセス特急「富街エクスプレス」と同じ車両が使われています。我妻空港から神場都心の新宿、善方、神場を通り、1992年に開港した神場空港へ向かうこの特急は、概ね30分前後の間隔で運行されています。

 矢尾(やお)ではNR坂崎線(さかざきせん)及び、結急林間都市線に接続しています。駅の周辺は結急電鉄の前身である、神豊急行電鉄により開発が進められ、上品な雰囲気の住宅街となっています。駅の隣には「矢尾歌劇団」の劇場があり、名作を題材とした演劇のほか、近年は音楽ライブも催されるようです。

 三沢(みさわ)からは鳥豊本線の線路に合流します。外側の緩行線に繋がるような配線となっていますが、内側の急行線に移動することも可能で、特急や快速は急行線の線路に入ります。

 三沢駅の矢尾方には車庫が設けられています。この車庫は三沢止まりの鳥豊緩行線電車専用であり、昼間はオレンジ帯の電車が沢山休んでいるのを見ることができます。三沢から神場(かみば)までは、このオレンジ帯の電車と交互に5分間隔で運行されています。

 ちなみに、鳥豊緩行線の電車の一部は我妻空港まで直通します。我妻空港直通の電車は20分間隔で運行される「区間快速」であり、三沢を出ると矢尾、大内に停車し我妻空港へと向かいます。

 神場まで鳥豊本線の線路を走りますが、特急、快速、各駅停車共に神場駅の手前で地下ホームへ繋がる線路に入り、地下に入ります。神場駅では「東海岸線ホーム」と呼ばれる地下2面4線のホームに停車します。多くの電車がここから東海岸線へ直通します。

1524系1000番台

 1990年から1992年にかけて導入された車両です。すでに導入されていた1320系の設計をベースに、車内設備や前面デザインの変更を行いました。8両固定編成と4両編成が存在しており、2011年3月ダイヤ改正までは全線で運用されていましたが、以降は奉旗駅-中海しおかぜ鉄道-松岸駅間のみで運用されています。

1320系

 1986年度から導入された車両です。1524系と同様に奉旗駅-松岸駅間で運行されています。新型車両の導入や他の線区からの転用により数を減らしています。

1312系

 1960年代から2000年代まで活躍していた古い車両です。現在は中海しおかぜ鉄道所属の編成が一部区間に乗り入れていますが、その大半は別の塗装に塗り替えられています。


※当ページの内容はフィクションです※

当ページ最終更新日 2023年09月03日

当ページ公開開始日 2022年06月03日