永越猿ヶ京線

概要

 永越猿ヶ京線(ながえつさるがきょうせん)は、左鳥県の月夜野駅(つきよのえき)から、津喜村駅(つきむらえき)までを結ぶ永越鉄道の路線です。1936年に月夜野駅-猿ヶ京駅(さるがきょうえき)、1973年に猿ヶ京駅-津喜村駅(つきむらえき)までが開業しています。

 NR上越線とは別のルートで永京-新潟間を結ぶことを目的に、国道17号線沿いに敷設された路線です。猿ヶ京駅周辺には「赤谷湖」やホテル、キャンプ場があり、夏や秋には臨時電車が多数運行されていた時期もありました。また、終点の津喜村駅には、2019年3月まで「高原津喜村(津喜市が運営)」がありました。


路線データ

 管轄 永越鉄道高前支社

 軌間 1067mm

 複線区間 なし

 電化区間 全線(直流1500V)

 保安装置 永越ATS

 最高速度 80km/h

運行形態

 普通列車が1時間に1本運行されています。すべての列車が永越本線上毛高原駅(じょうもうこうげんえき)と、終点の津喜村駅までを往復しています。2両編成であることが多いですが、観光客が多い時期には4両編成で運行されることもあります。

沿線概況

月夜野駅-津喜村駅

 起点の月夜野駅は、2面4線の駅です。駅の南側には車庫があり、2両編成の電車を6本留置することが可能です。大きく右に曲がって坂を上ると、国道17号線沿いに出ます。

 区間内で最も定期利用が多い新治駅(にいはるえき)までの間には、菜の花畑に近い羽場駅、小学校に近い新巻駅があります。どちらもすれ違いのできない駅であることから、すれ違いは2面2線の新治駅で行われます。

 新治駅の近くには、中学校、郵便局、そして住宅がいくつか建っています。このあたりでは人口が多い地域とはいえ、少し歩くと森や畑であることから、電車が来ない時間はかなり閑散としています。

 湯宿温泉駅(ゆやどおんせんえき)は、湯宿温泉に近い駅であり、赤谷川に隣接した山間の風情のある場所にあることから、和風の立派な駅舎が建てられています。しかしながら、観光客の多い時期を除き無人駅であり、2面2線のホームのうち片側のホーム(2番線)は通常は使われていません。

 赤谷川と山に挟まれた場所を、ややゆっくり走って行くと、猿ヶ京駅に着きます。小学校跡地や永越鉄道が経営するホテルに隣接した駅は、2面2線構造となっています。駅そのものは1987年に立派なものに改築されたのですが、普段の利用客数にはとても見合わない規模の設備となっており、普段はかなり閑散としています。ホームは20m車10連まで対応していますが、臨時電車を除くと2両編成の電車しか来ませんので、その寂しさに拍車をかけているように見えます。

 1973年に延伸区間として開業した津喜村駅は、2019年3月まで津喜県津喜市が運営していた「高原津喜村」に隣接している駅で、2面2線のホームを有しています。これ以上延伸する計画がないことから、端頭式となっています。2019年3月16日からは永京東西電鉄(当時)経由で両得電鉄(当時)津喜駅まで線路が繋がったことを記念して、津喜駅と津喜村駅を結ぶ臨時電車が同年3月16日、17日、21日、23日、24日、30日、31日に運行されました。

臨時電車の思い出

「ありがとう津喜村号」

 2019年3月16日、津喜村駅と津喜駅が同じ線路で繋がったことを記念し、同月に津喜市が運営を終了することになった「高原津喜村」への感謝をこめて、臨時電車が運行されることになりました。

 この企画は、当時の両得電鉄津喜支社の大沢明義(おおさわあきよし)によって企画され、これに永越鉄道、永京東西電鉄、そして津喜市が協賛したものです。

 土曜日に運行される往路は津喜駅を7時1分に出発し、月夜野駅には11時ちょうど、津喜村駅には11時40分に到着するダイヤ。日曜日に運行される復路は、13時30分に津喜村駅を出発し、津喜駅には18時31分に到着するダイヤでした。津喜駅は往路は地下3階の5番線から発車、復路は同じく地下3階の7番線に到着し、車両は草深総合車両センターのRE系10連が使用されました。乗車券は旅行商品として販売され、当時の両得ツアーズにより両得ツアーズ津喜本店や、オンラインで販売されていたようです。

 21日の春分の日には、RE系ではなく通勤型車両(30系500番台)による津喜村行き臨時快速急行が運行されました。発着時間は臨時特急と同じですが、停車駅が多く、ダイヤにあまり余裕がなかったようです。都心に近い区間では、フル加速の繰り返し。また沿線には、普段入線しない津喜線(三城総合車両センター所属)の30系500番台が入線するということで、多くの撮り鉄が集まっていたようです。

 臨時快速急行は、「快速急行 津喜村」「快速急行 津喜」という、定期運用では存在しない行き先を表示していたことから、興味深く電車を眺める人も多くいました。それにしても、津喜駅で「津喜村行き」の表示を見ても、それが片道4時間40分かかる山の奥だと気が付く人は、それほどいなかったかもしれません。

 ちなみに、「高原津喜村」そのものは、津喜市在住の中学生がほぼ必ず行く場所であり、津喜市民の一部にはその名を知られていました。また、2013年にはアニメ『さよなら蒼いスプリング』の作中にも登場しており、同作品が好きな人の一部には聖地として知られていたようです。

「さよなら蒼いスプリング津喜村号」

 2020年11月21日。すでに高原津喜村は津喜市のものではなくなっていましたが、施設自体は引き継がれて存続していました。また、2020年9月12日からは、両得電鉄で『さよなら蒼いスプリング』のラッピング電車が再び運行開始され、アニメ第一期と第二期で登場した高原津喜村へ向かう臨時電車が運行されることになりました。

 ダイヤは、「ありがとう津喜村号」の快速急行津喜村行き、津喜村発津喜行きと同じ時刻。車両は、30系500番台特別仕様車の「蒼スプ号」8連でした。電車は11月21日と11月22日のどちらも運行され、普段入らない区間へ入ることや、さよなら蒼いスプリングが人気作品であることもあり、沿線には多くの撮り鉄やファンが集まっていました。

 ただ走らせるだけではつまらないということで、車内アナウンスはさよなら蒼いスプリングのキャラクターによるものとされました。また、車内のデジタルサイネージは、さよなら蒼いスプリング一期の本編が(音が出せないため)字幕付きで放映されました。

 なお、運行準備として、10月には事前に試運転が行われたほか、「蒼スプ号」が永京都などの通過する自治体の広告条例基準に抵触しないかの確認が行われました。


※当ページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2022年01月23日

当ページ公開開始日 2022年01月22日